住民監査請求3件の監査結果について

掲載日 2005年5月23日

1.「互助連合会年金保険等」の監査結果(H17.5.16)
(1)請求の要旨
 互助連合会及び教職員互助組合による保険会社を通じた退職金等の支給は、給与であり条例に基づかなければならず、任意団体を介在させて免れることは給与条例主義を没却させることになるので、平成5年以降現在まで、違法に支出された314億円を返還させるよう求める。
(2)監査の結果
本市の交付金を充当して互助組合等が 職員に対して行う給付は、支給する給付内容如何によっては職員に支給する給与と同視され、交付金の一部が法規定の趣旨を逸脱して違法と位置付けられる場合がある。
地方公共団体は、福利厚生の実施が求められており、その実施費用を社会的相当と認められる範囲 で負担することは法の予定するところであり、また、退職後における生活の充実、安定を図ることも職員の福利厚生の一部を果たしているということはでき、本 件給付も職員の掛金 の一部を活用して退職後の生活の充実、安定を図ろうとするものである。
しかしながら、退職した職員は、退職手当の支給を受け、共済年金が支給されるのであって、それ以外に本件給付を補完支給することは福利厚生事業として本来的なものではなく、そこまでも法で予定されているものではない。
そうすると、本件給付は、法的に定められた退職手当及び共済年金に実質的な上乗せを図るためになされているものと見ざるを得ず、交付金が充当されている部分については、社会的相当性を欠く違法なものといわざるを得ない。
違法な給付のために支払われた保険料に充当されている交付金については、支出を受けた各互助組 合が本市に対して返還義務を負うものであるから、本市は、公法上の金銭債権を有すると認められる過去5年間に、保険料として保険会社に支払った額から掛金 を除いた額を請求する必要がある。
(3)市長への勧告
 次の措置を3ヶ月以内に講じられるよう勧告する。
 互助連合会及び教職員互助組合が過去5年間に本件給付のため保険会社に支払った保険料のうち、交付金が充当された137億6,988千万円について、各互助組合に対し、互助連合会から回収するなどのうえ、返還するよう求めること
*平成16年度末退職者から廃止しました。

2.「共同研究費補助金」の監査結果(H17.5.16)
(1)請求の要旨
 各校園の教職員に対し、研修・研究補助金として支出している「共同研究費補助金」の一部が、中央運営委員会に拠出され、結婚式場等として利用されている施設の維持費として流用されているので、20年分3億円を賠償補填させるなどの措置を求める。
(2)監査の結果
教員会館設立当初は、中央運営委員会及び(財)大阪市教員会館への資金の拠出は本件補助金の目 的から逸脱していなかったと判断できるものの、その後、教員会館の機能の変化や研究・研修利用の減少に伴い、本件補助金を継続して充当させることについて 見直すべきところを怠っていたといわざるを得ず、現状においては本件納付金が本件補助金の目的に合致していないと判断せざるを得ない。
本件納付金については、本来目的どおり使用されておらず、本市は損害を被っていると認められるので、公法上の金銭債権を有すると認められるものについて返還請求をしなければならない。
(3)市長への勧告
 次の措置を3ヶ月以内に講じられるよう勧告する。
 過去5年間に各校園運営委員会を通じて中央運営委員会に納付された本件納付金7,376万円について、各校園運営委員会及び中央運営委員会に対して、(財)大阪市教員会館から回収するなどのうえ、返還するよう求めること。
*平成17年度から廃止しました。

3.「特別昇給」の監査結果(H17.5.16)
(1)請求の要旨
 条例に定めのない違法な5種類(公営企業は6種類)の特別昇給制度を市長決裁のみで国の基準を拡大し、長期勤続してきたことだけで一律に昇給させることは、勤務成績特に優秀であることの証明にはならず違法であるので、制度開始からの支出相当額を返還させるよう求める。
(2)監査の結果
市長が特に必要と認めた場合に特別昇給を実施することができるという条例の規定があっても、判断を広く市長の裁量ゆだねることは、給与条例主義の許容しないところであり、具体的な要件については、客観的合理性があるものでなければならない。
また条例又は条例に基づく規則に明文化することなく長年にわたり市長決裁により実施してきたことは、市民に対する透明性の確保を怠った不適切な取り扱いであったといわねばならない。
市長が特に必要と認める場合との規定がある以上、直ちに違法とまではいえないが、全てが勤務 成績特に優秀である場合と同等の評価を得られて適用してきたかどうかについては、疑問が残るものであり、適用に伴って支出される給与の額が、相当性の範囲 を著しく超えるとなると違法性を帯びるものである。
給与については、国の制度に準ずることが、結果において、法律上の趣旨に最も適合するとされているので、損害が発生するのは、特別昇給の実施に伴う給与の上昇額が国との比較において均衡を失する場合である。
本市の特別昇給による影響額を試算したものと国の場合を本市の給料表に当てはめて試算したものとを比べると影響総額はほぼ同様であり、国を上回ることにはなっていない。
給与の額については、人事委員会の民間給与調査に基づく較差是正に基づいて決定される仕組みになっており、特別昇給が実施された結果としての給与の額が民間給与額との比較対象となっているから特別昇給に伴う給料上昇分は、公民較差に吸収されている。
以上のことから、本件特別昇給に伴う支出分が直ちに本市の損害であると認定するには至らない。
(意見)
特別昇給については、勤務成績特に良好な職員を給与上優遇するためのものであ り、給与制度における成績主義を確保する趣旨のものであるから、今後、特別昇給を実施するにあたっては、そのような趣旨に鑑み、職員の能力や実績を反映し たものとなるよう、適切な運用に一層努められるよう要請する。

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